プロジェクトX東京大学の設備法定検査 換気量測定


一口に東大といっても、お茶の水の近く、本郷に校舎がポツンとあるのではない。
大きく分けると本郷キャンパスと駒場キャンパスに分かれる。それから白金台には付属の病院もある。
千葉にもあるし、つくばエキスプレスで柏の葉キャンパスもある。

当社が行ったのはこの範囲である。実に120棟からなる建物群の火気使用箇所の換気量測定である。
設計事務所の委託を受け、設計事務所の方々と1棟1棟回るのである。


広い。とにかく広い。
初日の待ち合わせ場所を安田講堂前にする。例の安保闘争で学生たちが立てこもった歴史的建物である。
中がどうなってるのか入って初めて分かった。

門がいくつか有って私が知ってる「赤門」も本郷キャンパスである。だから、ある時は本郷キャンパスの調査で、赤門9時前に集合、安田講堂に集合、ということになった。そうでないと、工学部2号館とか言われても行きつける自信はないのである。

本郷キャンパスにはローソンとサブウェイその他のレストランがあるとともに学食も第一と第2があることも知った。
ノーベル賞を受賞した小柴教授の記念ホールがあることも初めて知った。




東京大学本部と設計事務所とのやりとりによって調整をし、各学部の設備管理担当者と連絡を取り合いながら火気使用箇所の換気扇の風量を測定するのである。

ところが、行ってみると「そんな話は聞いてないですね」という担当者がいたかと思えば、そもそも担当者が不在なので今日は1時間の作業で終わり、ということもあった。また建物の2階と3階では管理している部署が違うということもあった。


一度作業を始めると学校側の設備担当者がカギを持ちながら、火気使用室とあらかじめ分かっている部屋に入る。
これは最初に現場で図面を沙汰されるのである。
鍵がかかっているところはまず、最低3回はノックして「失礼します」と声をかけて一時待ってから鍵をあける。

というのも、そこは東大の教授の部屋であったり、准教授の部屋であったりして、鍵をかけて中で研究や読書をしている場合もあるからであり、最大の敬意を払って室内に入るのだ。

入ったら入ったで、まず、そこに人がいれば「私たち「○○コンサルタントと申しますが、火気使用の部屋の換気量の測定に参りました」と告げるのである。


火気使用室というのは直火を使用する「ガスレンジ」「湯沸かし器」のことを指すが、湯沸かし器の頭にダクトが付いていて室外に排気しているものは除く。レンジも電気ヒーターやIHIは除く。

そうして室から室へと淡々と測定していくのである。


数日間を本郷キャンパスで費やし、駒場キャンパスでまた数日使い、白金台の東大付属病院で使い、秋葉原から、つくばエクスプレスに乗って柏の葉キャンパスでも1日使い、3人態勢で全部で20日間ほどを使い測定しました。

その膨大なデータをまとめるのも大変で、…これは想像にお任せします。
最終日は千葉のキャンパスで終わりました。






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