プロジェクトX複合施設の排水管系統調査


話は数年前にさかのぼる。
 あるとき私の携帯が鳴った。「あのー、排水管の水圧試験をやってますか?」ということから話は始まった。
2つ、3つ質問していくと、やりたいことは排水管からの漏水で、それを確かめたいことが主目的と分かった。
話が進むにつれ相手は情報を小出しにしてくる。こちらはそのたびに軌道修正しながら調査方法、機材メンバーを頭の中で入れ替える。
結局分かったのは、自宅の半地下の部屋の床下に水深20cmの水が溜まり床が腐って抜けるという惨状であることがわかった。


ここでユネットは一計を案じ提案を出す。
  1. 漏水の原因の可能性は大きく分けて4つあり、①給水 ②排水 ③雨漏り ④土壌からの湧水である。
  2. 給水管からの漏れはメーターの動き及び音聴調査で発見可能。
  3. 排水管の漏れは水封と色水による調査及び必要であればCCDカメラ調査がある。
  4. 雨漏り調査は既に精密液面計を取り付けて観測中で、しかも天候についてもメモが取ってあるという。
    なのでデータからの解析で判別可能ということを伝え一旦受話器を置いた。

2、3日後その方から電話があってまた話し込んでしまった。
 結局見積作成することになって。20分後には見積書を作成してメールで送ったら2日ほどして注文が来た。
 現場調査当日に機材、資材を持ち込み調査開始となる。調査するのは以下。
    謎のマンション
  1. 給水管の漏水有無の確認
  2. 排水管の漏水有無の確認
  3. 雨漏りの可能性の可否
     ・天井(可能性無し)
     ・床(可能性無し)
     ・壁(雨が壁に吹き付ける場合は可能性有り)
     ・半地下の土間床から(可能性有り)
ちなみに、天井からの雨漏りは無いことから、壁を伝って洩れ混んでいる可能性はあるが精密液面計を設置して観測しているとのことで当社は介入せず。


実際の調査は
  1. 給水管で、量水器での確認及び音聴棒で各水栓の音聴調査を行い漏水がないことを確認した。
  2. 排水管の調査では、排水の出口孔を粘土で蓋し、上からビニールで覆い、バンドで締めた。
    その後通常濃度の160倍の溶液を作り排水の掃除口より流し、排水管が満水になるまで注入した。
    その状態で待つこと2時間、やがて色水が浸透して色と香りが漂い始めたかというとそういうことは全くなく、
    排水管からの洩れもないことが判明した。

結論
 調査の結果壁、土間床からの浸水の可能性が有り、特に天候と液面計の動きに相関関係が見られることから
 防水工事の不備という結論に達した。

 報告書を作成し、2日後にはpdfファイルにして送る。
そこから1、2度やりとりがあって、排水管の図面を作成し送ったところで業務は完了した。
それから14箇月が’経ったある日、メールが届いた。
「ユネット 様
お久しぶりです。
裁判に関しては私たちなりに時間をかけて振り返っているところです。
結果は、実質勝訴ではありますが私共にとっては満足のいくものではありません。
裁判の事は他者に経緯を述べる事は、心理的にストレスを感じます。」






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