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論文集  
  テツアド出版社: 
  月刊リフォーム寄稿論文

月刊リフォーム5月排水設備の
リニューアル要素技術

月刊リフォーム12月埋設管漏水探査
月刊リフォーム11月マンションの改修に
失敗しない為には…
月刊リフォーム3月コンクリート
中性化深度測定調査
月刊リフォーム9月給排水管の
リニューアルを考える

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 漏水診断のご提案

   ユネットは埋設管の漏水調査を行う会社です
     系統、漏水量の確認、調査方法の検討と可否をご提案しています。問い合わせ後の技術的なフォローを致します。


漏水診断のご提案
  「漏水診断」は見積のための現地調査ではありません。
   特に、既に御注文いただいた方でも以下のような懸念のある方には有効です。
  • 系統があやふやである
  • 漏水量がはっきりつかめない、もしくは本当にその系統から漏水しているのか分からない
  • 本調査を依頼する前に果たしてこの漏水調査で見つかるのか不安である
   ※ 見込みで漏水調査を注文したが、その系統には漏水はなかった(しかし請求はしっかりきた)という場合がしばしばあります。
     また給水管と思ったら給湯管だった、または消火管だったこともあります。

 当社としては成功裡に業務を完了したいので、説明を全て聞いて、あるいは、あやふやな情報の元に現地に行ったところが、全く状況が違っていたことがよくありました。いつも水があるとか、じめじめしている等という話はよくありますが、それならそこを掘ってみればいいのであって、関係なかったという場合が多々ありました。


● 漏水調査の見積は、電話でのやりとり、4つの質問で作成できます。
  1. 対象敷地はビルですか、マンションですか、工場ですか?
  2. 調査系統と埋設距離はどれ位ですか?(例:給水管、消火栓管など20m、200m、2000m程度の概算)
  3. 漏水量は分かりますか?またどこでどのような計測方法でしたか?(漏水量の詳しい測り方はこちら
  4. 物件はどこですか?あまりにも常識的ですが忘れないように!

▼ お客様の中には、自分たちが独自に行った調査や今までの経緯・ここが漏れた・ここを掘ったらどうだった・昔建物があってその時水場がここで...等のような情報をわざと隠し、我々がそれらに辿り着いた時点で「やはりそうでしたか」と、いわば試してみんばかりの方がおられます。
試してみたら『一応本物だった』といったような反応の方々です。

 当社の力量を測るにはそれも余興として面白いですが、そこに辿り着くまでの数時間から半日ほどは、本来その先を調査してもらえたはずなのに、その時間を自ら浪費したことになります。
 また、情報の種類によっては、我々が全く知る事の出来ない重要な事項が隠れていて、その調査で1日が潰れる、ないしは全く分からないことも珍しくはありません。たとえば消火管の末端から配管して100m先のグランドの撒水に使っていた、などということもあります。

 漏水調査は言ってみるなら「情報戦」です。
いろんな情報と事実、地下から得られる大量の情報を併せた膨大なデータ処理、解析、仮定と可能性の立案と検討、情報の取捨選択、
仮説と検証を調査員が瞬時に判断し、繰り返し「削除法」により頭の中でひとつひとつ潰していく・・・これが我々の取り組み姿勢です。


 漏水診断内容
本調査前の状況調査、予備調査です。
  1. 引込管、量水器、本管の位置、数、取付状況
  2. 管敷設状況、回りの環境、周辺の騒音状況、漏水量の確認、調査が必要な系統の選別:給水、給湯、消火栓など
  3. 本調査に向けた準備打合せ
      -1. 調査時期、曜日、時刻帯の検討
      -2. 調査の段取りと御社協力態勢の確認
      (断水の協力、系統弁の開閉ができるかなどの可否検討、その他、縁切り、昇圧、水圧ポンプの準備等々)
  4. 事前準備の方法、御社で可能な範囲など協議します




【 立て続けに2、3件起こった事例ですが、こんな事がありました 】

 これは、これから挙げる屋外消火栓管漏水調査を巡る悲惨な事件のシリーズの始まりでした。
この一連の事件簿はその3まで続きますが、どれも最初の漏水量の計測が誤っており、しかもそれが大きく違うために調査、再調査、再々調査と、
そのたびに準備する道具や機材、資材を変え、調査が完了するまでに手間は3倍、費用は倍かかったという案件です。

幸い最後の3件目は、こちらもその予測を立てて、ケーススタディをして臨んだため再調査は避けられました。
しかし、この事件簿1とその2は三度以上足を運ぶ異例の調査となりました。


屋外消火栓漏水調査事件簿、その1
・まず漏水調査報告書が出ていて、それは毎分何リットルの漏水が確認されたという一見プロが行ったような調査報告書でしたが、よく見ると途中で配管を切って水圧試験をしたら、一方は大丈夫で、もう一方は推定で毎分十数リットルの漏水があったというものです。

・写真と社判と数値が入った数頁の報告書で立派ですが、見たとたん、全く技術的には信用できない、漏水調査に関しては素人の配管工事業者の作業だと一目で分かりました。案の定、漏水量を測ると、十数リットルの漏水量はわずか毎分4リットル程度の漏れでしかないということも判明しました。

・なぜそんなことが起きるか?当社では通常の圧をかけない状態での漏水量を測って『漏水量』としていますが、その報告書を作成した業者は、水圧を掛けたときの漏水量を記述していたのです。しかも水圧ポンプでの圧力は、ポンプの容量によって決まりますから、たとえそのポンプが0.35MPa(35kg)の昇圧能力を持っていたとしても毎分5リットルの能力のポンプなら、この場合いつまで経っても0.35MPaどころか毎分5リットルの流出量になれば圧はあがりません。

・消火ポンプは設置されていませんでしたので、昇圧、漏水音発生、音聴調査を行うには、より能力の高い水圧ポンプを持って来るか他の方法を考えなくてはなりません。

・いったん引き揚げ、後日再調査となったのです。しかし、状況は微妙でした。
前述の電動式の昇圧ポンプは3.5MPa(35kg)まで昇圧できるといっても、毎分5リットル程度の能力ですから、通常時に毎分4リットルとはいっても、水量が少ないときの話で、毎分5リットルを越えると、送水量が足りず、いつまで経っても配管の内圧は上昇しないことは述べました。このときも圧力0.1MPaからは上昇しません。

・仕方なく消火補助水槽の補給水配管と消火補助水槽出口管を直接つなぐバイパス工事をお願いしたのです。これで消火管を満水させ、昇圧して音聴調査が出来るようになり、無事調査は完了しました。

・しかし悲劇の始まりはこの調査の成功と配管補修工事の後にやってきたのです。

屋外消火栓漏水調査事件簿、その1の続き
・いったん漏水は収まり静かな日々が続いたかと思われた1週間後には、『今度は給水管が漏れた』『マンションの住人はその流水音と漏水音で夜も眠られないとクレームを言っている。どうにかして欲しい』との連絡を受けました。

・さっそく夜中に調査に行ったところが、確かに音はゴーゴーとマンションの2、3軒に響いており、その音からするとかなりの漏水量が予測されます。あちこち探しましたが、その日の夜は全く手がかりのないまま、図面と現地の状況から埋設給水管路を調べ、音の出ている駐車場の一角を掘削してもらう手はずを整え、再度調査ということになりました。

・しかし、掘削した箇所には管はなく、無駄にあちこち掘って埋め戻した跡があるのみでした。なぜそうなったのか。実は管路調査といっても駐車場には車が一杯止まっていて、建物の下からでてきたところまでは位置を掴んでいたのですが、その先は調査できず、見せていただいた『施工図』を信用して見込みで掘削工事を行ったものですから、そんな結果となりました。

・当社が立ち会っていればまだ良かったのでしょうけど日程の調査がつきませんでした。
さて、再調査の日は朝から掘削業者と当社調査員2名で始めたのですが、ここで、最悪の事態が起こりました。

・少し気の利いた工事業者でしたが、それが裏目に出ました。はじめから当社のことを信用してもらえず、主導権を取って、あっちでもない、こっちでもない挙げ句の果てはいいや、とにかくここを掘ろう!ここが一番音がでかい!とやりだしたのです。

・そんな時現場で喧嘩しても仕方ありませんから、放っておきました。さてこれは何かおかしいぞ???と頭の中のディープブルーが突然稼働し始めたのです。それによるともう一回現場を見てみないとどうも不可解な点がある事に気づいたのです。

・一つ一つ丁寧に現場検証を重ね、今起こっていることの原因を探りながらあれこれ見ていくと、なんと!消火補助水槽の補給水配管と消火補助水槽出口管を直接つなぐバイパス工事の仮設配管がまだそのままではないですか!

・これだ!給水管の漏れではない!その先の消火管が再び漏れ、それも大量に漏るから、漏れを補給するために給水管からはそれに相当する給水がなされてこの響き音になっていたのです。

・これで給水管の漏水が見つかるはずだと意気込んで建物の地下ピットでしゃかりきになって工事をしていた方々にはその旨を伝え、お引き取り願いました。しかし、これはやっかいなことになりました。

・送水→満水→昇圧→漏水音発生→音聴調査→発見→他で漏水がないことの検証→調査完了→補修、という図式を描いていたのですが、最初の送水、満水、昇圧がこれではできません。

・それで消防ポンプ車を呼ぶことにしました。ここまででこの現場には5、6回足を運んでいます。

・補給水をやめ、見かけは平静を取り戻したマンションと住人でしたが、消火栓は使用できない状態が何日か続き、いよいよポンプ車がやってきました。さて、送水口からつなぎ込み、送水を開始して、私達は各消火栓ボックスでエアー抜きを始めたところ意外な事実が判明したのです。

・送水は10分と持ちませんでした。タンクの容量2,500リットルが10分持たないとは、漏水量が毎分250リットル以上はあるということです!!!

・ポンプ車のタンクに水を補給し、送水しては補給、送水しては補給となりました。そして最後に僅か10分間の送水、昇圧の間に漏水の音から漏水箇所を見つけ出したのです。

・終わってしまえばどうと言うことはない、消火栓管の大きな漏水でしたが、その間、現象と先入観から、当方も迷走させられたことは事実です。初っぱなに『給水管からの漏水』と言い切った点。これが全ての悲劇の始まりでした。第二に消火補助水槽のバイパス管を復旧していなかった工事側の事情と、第三に老朽化してあちこち消火管が漏れる状態を放置ないしは黙認した管理組合(オーナー様方)などなど数え上げれば切りはありませんが、それらを全てひっくるめて、皆様方を信用した私どもの落ち度です。

・事件を追う刑事さん方と同じく、全てを疑り、ひとつひとつ削除していく方法は人生のあらゆる場面で役に立ちます。

屋外消火栓漏水調査事件簿、その2
・大規模マンションの屋外消火栓管漏水が消火管耐圧試験中に判明しました。担当者は管の地上部で漏水が見られず、漏水した水が地上に湧き出てこないことから埋設部の漏水と判断したのですが、ここで漏水量を訊ねました。

・じつはこの担当者はその前の年に似たような物件で似たような経験をした為、屋上の消火補助水槽で補給水の量をバケツで受けてかなり正確に測りました。地上部にある消火栓ボックスでも末端の2箇所で水が出てくることを確認し、管内は満水になっているからボールタップから補給される水の量は漏水量と同じだ、と判断したのです。

・しかし、電話のやりとりでどうもおかしな点があると直観した調査員は、漏水診断を提案し、それが受け入れられたのですぐさま現地を見に行きました。すると、ボールタップから補給される水の量は水槽出口の逆止弁(チャッキ)に詰まりがあり、そこがボトルネックになって毎分8〜9リットルしか流れていない事が判明したのです。

・「再度、逆止弁の補修、漏水量が補給水量を上回るようで有れば消火補助水槽をバイパスする仮設配管の設置が必要ですよ」というアドバイスに、理解されたつもりが、逆止弁の交換ですませていたのです。

・その後、漏水量は微増したものの、その時の漏水診断で、少なくとも漏水量は毎分50リットルを下回らない感触を掴んでいましたので、最悪はどこかの散水栓から補給すればいいと考え、周到な準備をして、本調査に向かったのです。

・結果は驚くほどの漏水量で、補給水量が毎分50リットルはあると思われるのに管が満水になりません。しかも敷地の地形から消火管の両端が低く、中程が高いところにある為、両端でエア抜きしてもエアーは全くなく水しか出ないために、てっきりエアー抜きは終わったと勘違いしたのです。

・案の定、高いところに位置する消火栓ボックスからは水が出なく、エアーも何も出てきません。つまり、そこまで水位が上がる前にどこかで大量の漏水がありおびただしい量の流出の為、いつまで経っても満水→昇圧→漏水開始→音聴調査開始→漏水発見とはなりません。

・仕方なく一旦引き揚げ、後日2,500リットルのタンクを持つ消防ポンプ車に来てもらい送水、昇圧、調査となったのです。

屋外消火栓漏水調査事件簿、その3
・某プラント屋外消火管での話です。ここの担当者は素人ではありません。しかも漏水量を計測する際も、消火補助水槽のボールタップの流量を測るだけでなく、地上部での消火栓ボックスで全てエアー抜きをして事件簿その1みたいなことは「絶対にない」と言い切られました。

・現地に到着すると消火栓管は空っぽ、消火補助水槽は満水状態で、「この状態で消火補助水槽の出口弁を開けると水がダーッと流れるから、それが漏水量で、直近の計測では毎分200リットル程度になるはずだ」と言われました。

・それは違いますよ!その量は消火補助水槽を出ていく量であって、『漏水量』とは別です!と言いましたら、「???・・・」でした。案の定消火ポンプを起動すると、まず消火補助水槽出口の逆止弁が効かず、水は逆流してきます。

・タンクが溢れ、上部マンホールから水が溢れ出す前にポンプを止め、止めると水槽の水位がみるまに下がり、水槽が空になる前にまたポンプを起動しを繰り返しました。

・なぜ繰り返すのか?それはポンプが起動していると、ポンプの動力音で漏水音が判明しないからで、なるべくポンプを止めて水槽のヘッド圧のみで音聴調査をしたいからです。ちなみにポンプを止めたときの水位の減り方からすれば、漏水量は毎分200リットルを下回らない量でした。

・なおここでは担当者の環境騒音に対する認識が甘く、すぐ近くには工事車両が稼働し、エアーコンプレッサーがあり、ポンプが回り・・・という状態でしたから実質的に音聴調査は昼休みの12時から1時まででした。しかも彼らの言う12時からというのは、「12時から静かになる準備をするよ」ということですから、私は金魚の糞よろしく担当者の後をついて回り、これはどうなりました、アレはまだ動いてますね、こっちはいつ止まります?としつこくついて回ったのですが、それでも静かになって調査が可能になったのは12時20分頃のことです!

→ その他、漏水に関するご相談はこちらのフォームからお問い合わせください。


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